仕事でAIを使う前に
何を貼り付けてよいか、どのアカウントを使うか、誰に聞けばよいかを知り、仕事のデータを会社が認める範囲にとどめます。
約8分(編集部の目安) · 2026-10-16更新
このレッスンで学ぶこと
- 仕事の情報の3つの区分:そのまま貼ってよいもの、伏せてから貼るもの、絶対に貼らないもの
- 会社が承認したツールと個人アカウントが同じではない理由
- プライバシー設定で何が決まるか
- 始める前にIT部門や上司に何を聞くか、そして送ったものの責任がなぜあなたに残るのか
考え方
AIツールに入力したりアップロードしたりした内容は、通常、そのツールの提供元に送られます。仕事の場合、その資料は会社やその顧客、同僚のものであることが少なくありません。そこで、最初のプロンプトを書く前に、資料を3つに分けます。
- そのまま貼ってよい:公開されているウェブページなどの公開情報や、顧客、同僚、業務について何も書かれていない文章。
- 伏せてから貼る:名前、連絡先、注文番号、価格など、特定の人や顧客につながる情報を削除するか置き換えれば使える仕事の資料。会議メモや顧客からのメールの多くはここに入ります。
- 絶対に貼らない:パスワード、銀行口座やIDの番号、誰かの健康、給与、人事に関する情報、そして会社のルールでAIツールに入れてはいけないとされているもの。迷ったら、確認が取れるまでは「絶対に貼らない」として扱います。
次はアカウントです。多くのAI製品には、個人アカウントと、会社が用意する仕事用アカウントの両方があり、データがどう扱われるかは、どちらを使うかで変わります。仕事用アカウントには、通常、会社が提供元と取り決めた条件が適用されます。その管理者は多くの設定を管理でき、あなたが尋ねた内容を保存して確認できる場合もあります。個人アカウントはあなたと提供元のあいだのもので、会社はふつう、その中身を管理できません。ですから、会社の資料は承認されたツールとアカウントにだけ入れます。
多くのツールにはプライバシー設定もあり、チャットを提供元のモデルの改善に使ってよいか、チャット履歴を残すかを決められます。仕事用アカウントでは、会社がすでに設定していることがあります。始める前に確認してください。
最後に、ツールは下書きを作れますが、送信者はあなたです。外に出す前に、すべて読んで確認してください。
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仕事でAIを使うと困ったことになる5つのパターン(承認されていないツール、機密データの漏えい、作り話の答えをそのまま伝えること、プロンプトインジェクション、承認されていないAIエージェント)と、それぞれを避ける方法を説明します。
例
Lenaさんは配送会社の事務所で働いています。荷物の到着が遅れた顧客に、落ち着いた返信を書く手伝いをAIに頼みたいと考えています。スマートフォンには、個人アカウントで使っているチャットボットがあります。まず、返信に必要な情報を分けます。
そのまま貼ってよい: 当社の配送条件(自社サイトで公開済み)
伏せてから貼る: 苦情の内容(顧客の名前、住所、注文番号)
絶対に貼らない: 顧客の銀行振込のスクリーンショット
Lenaさんは事務所のマネージャーに聞きます。答えはこうでした。スマートフォンのチャットボットではなく、承認されたアシスタントを仕事用アカウントで使うこと。顧客の名前と注文番号は入れてよいが、銀行の情報は絶対に入れないこと。判断に迷うケースは、データ保護の担当者に回すこと。
Lenaさんはサインインし、スクリーンショットを除いて苦情の内容を貼り付けます。下書きには、上司しか承認できない返金の約束が入っていたので、その文を削除し、自分で返信を送ります。
やってみましょう
- 返信や要約など、仕事のタスクを1つ選びます。
- そのタスクに必要な情報を書き出し、それぞれを「そのまま貼ってよい」「伏せてから貼る」「絶対に貼らない」に分けます。
- 職場でAIツールについて決めるのが誰かを調べます。IT部門、上司、データ保護の担当者のいずれかです。
- 下のメッセージを今日のうちに送ります。資料は内容を説明するだけにして、添付はしません。
- 返事が来るまでは、「そのまま貼ってよい」ものだけを使います。返事が来たら、ツール、アカウント、使ってはいけないもの、誰に聞けばよいかを書き留め、そのアカウントのプライバシー設定を確認します。
終わったときには、分類済みのリストと、適切な相手に送った質問ができていて、返事が来たあとには、会社のルールが1か所にまとまっているはずです。
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件名:仕事でのAIツールの利用について
[名前]さん
[タスク。例:顧客からのメールへの返信]にAIツールを使いたいと考えています。
始める前に、次の点を教えていただけますか。
1. 仕事で使ってよいと承認されているAIツールはどれですか?
2. どのアカウントを使えばよいですか?利用するにはどうすればよいですか?
3. AIツールに絶対に入れてはいけない情報は何ですか?
4. チャット履歴や、チャットが提供元のモデルの学習に使われるかどうかなど、
確認しておくべき設定はありますか?
5. 個別のケースで迷ったときは、誰に聞けばよいですか?
扱う資料は[貼り付けずに内容を説明。例:
「名前と注文番号が入った顧客からのメール」]です。
よろしくお願いします。
[あなたの名前]答えが「場合による」だったら、許可されている例と許可されていない例を1つずつ挙げてもらいましょう。
結果を確認する
- 承認されたツール、使うアカウント、次に誰に聞けばよいかがわかっていますか?
- 使ってはいけないものが、「気をつけて」だけでなく、具体的な言葉でわかっていますか?
- 貼り付ける前に、どの項目も「そのまま貼ってよい」か伏せ済みで、「絶対に貼らない」リストのものが入っていませんか?
- 仕事用アカウントでサインインしていますか?AIの文章を、ほかの人が見る前に自分で読みましたか?
よくある間違い
- すでに開いているアカウントを使う。スマートフォンのチャットボットは個人アカウントであることが多く、会社の管理の外にあります。
- 有料プランなら仕事用ツールだと思い込む。自分で料金を払っている個人プランも、個人アカウントのままです。
- 名前だけを伏せる。注文番号、メールの署名、ファイル名からも、特定の人や顧客がわかってしまうことがあります。
- ツールに自分の代わりに話させる。下書きには、誰も合意していない返金や日付の約束が入っていることがあります。送るのはあなたなので、確認するのもあなたです。
練習は終わりましたか?
進み具合はこのブラウザにだけ保存されます。ブラウザのデータを消去すると消えます。
出典
- Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot (Microsoft、2026-10-16閲覧)
- Generative AI in Google Workspace Privacy Hub (Google、2026-10-16閲覧)
- Google: 13594961 (Google、2026-10-11閲覧)
- Data controls in ChatGPT (OpenAI、2026-10-10閲覧)