スプレッドシートでAIを使い、数字を確かめる
AIに数式を説明させたり、リストを整えたり、合計を確かめたりして、どの数字も使う前に別の方法で確認します。
約8分(編集部の目安) · 2026-10-16更新
このレッスンで学ぶこと
- AIに、何かをする前にまずデータを説明させる方法
- 数式を説明してもらい、その説明を確かめる方法
- リストを整える方法:重複、表記ゆれ、形式、列
- 合計を確かめたり、2つの合計が合わない理由を見つけたりして、それを裏づける方法
考え方
スプレッドシートでAIを使う方法は2つあります。スプレッドシートのアプリに組み込まれたAI(ExcelのMicrosoft Copilot、Google SheetsのGemini)か、ファイルをアップロードできるチャットアシスタント(ChatGPT、Claude)です。どちらが使えるかは、アカウントやプランによって決まることがよくあります。
向いている作業は3つです。ほかの人が書いた数式の説明、リストの整理(重複、表記や日付のばらつき、分割や結合が必要な列)、そして合計の確認や、2つの合計が合わない理由の特定です。
AIが出す数字は、ツールが行を飛ばしたり列を読み違えたりしていても、正確そうに見えます。これもハルシネーション、つまり渡された資料と合わない出力です。
そこで、3つのステップで進めます。まず、AIにデータを説明してもらいます。列、行数、空白のセル、ばらつきのある箇所です。それを自分のシートと比べます。次に、作業を1つだけ頼みます。最後に、結果の確かめ方を聞き、実際に確かめます。
ルールは、自分で別の方法で計算し直せない数字は使わない、ということです。合計なら、SUM、フィルター、ピボットテーブルを使います。数式なら、説明をもとに1行を手で計算し、セルの値と比べます。整えたリストなら、前後の行数を数えます。その差は、AIが削除したと言う重複の数と一致するはずです。
作業はコピーで行い、元のファイルには手を触れません。まず、名前、連絡先、給与などの個人データを、作業に不要な列ごと削除します。詳しくは仕事でAIを使う前にを見てください。
動画を見る
CopilotがExcelの予算のスプレッドシートに複数の変更を加えて再計算する様子を示します。調整するセルはCopilotが見つけ、変更はすべてあなたの承認のもとで行われます。
例
事務担当のAmiraさんの手元には、今四半期の出張費のデータが214行あります。自分で出した合計は18,430.50ですが、経理のレポートでは18,112.00です。コピーを保存し、名前と銀行の列を削除してアップロードし、説明だけを頼みます。
このファイルについて説明してください。列、行数、空白のセル、
ばらつきがありそうな値です。まだ何も変更しないでください。
AIは、列が5つ、行が214行で、シートと一致すると報告し、1つのカテゴリに「Taxi」と「taxi」の2つの表記があることを指摘します。次に、作業を1つ頼みます。
「金額」列の私の合計は18,430.50です。別のレポートでは18,112.00です。
このファイルから考えられる理由を行番号つきで挙げ、それぞれを私が
自分で確かめる方法も書いてください。
AIは、318.50のホテルの請求書が88行目と141行目に二重に入力されているのを見つけ、2件のタクシー代も重複の可能性があると指摘します。318.50でフィルターをかけると、2つの行は日付も領収書番号も同じで、本当の重複でした。タクシー代は日付が違うので残します。Amiraさんがコピーの141行目を削除すると、SUMは18,112.00になります。経理には、行番号と確かめた方法を送ります。
やってみましょう
- 合計や整えたいリストがある実際のシートを1つ選びます。コピーを保存し、作業はコピーだけで行います。
- 作業に必要のない個人データを削除します。
- AIにデータを説明してもらいます。自分のシートと比べます。
- 作業を1つ頼みます。数式の説明、列の整理、合計の確認のどれかです。
- 結果の確かめ方を聞き、その確認を自分で行います。
- 結果と、それをどう確かめたかを書き留めます。
終わったときには、2つの方法で確かめた結果が1つと、その確かめ方のメモができているはずです。
このテンプレートをコピー
これは、個人データを削除したスプレッドシートのコピーです。
3つのステップで進め、ステップごとに止まってください。
ステップ1、説明:列、行数、空白のセル、ばらつきがありそうな値
(表記、形式、重複の可能性)。
何も変更しないでください。
ステップ2、作業を1つ:[例:D14の数式をわかりやすい言葉で説明する /
「都市」列の表記を1つにそろえる / 私の合計XがYと合わない理由を探す]。
変更した行、または根拠にした行をすべて挙げてください。
ステップ3、確認:フィルター、ピボットテーブル、SUMなど、
別の方法で私が自分で結果を確かめる方法と、何が表示されるはずかを教えてください。
不明な点があれば、推測せずに質問してください。AIに不確かな点を示すよう頼んでも、答えが正しくなるわけではありません。大事な部分は引き続き確認してください。
結果を確認する
- 行数と列は、自分のシートと一致していますか?
- 数式:説明をもとに手で計算した1行は、セルの値と一致しますか?
- 整えたリスト:新しい行数は、元の行数から、AIが挙げた重複の数を引いたものになっていますか?
- 合計:SUM、フィルター、ピボットテーブルで同じ数字になりますか?
- 頼んでいないところまで変更していませんか?
- 元のファイルは手つかずで、コピーには個人データが残っていませんか?
よくある間違い
- 正確そうに見えるから数字を信じる。小数まで出ていても、すべての行が数えられたとは限りません。別の方法で計算し直してください。
- 説明のステップを飛ばす。AIが412行のうち400行しか読んでいなければ、そのあとの答えはすべてずれます。まず行数を確かめてください。
- 元のファイルで作業させる。ブックを直接編集できるツールもあります。比べたり元に戻したりできるよう、コピーを使ってください。
- 名前や連絡先をアップロードする。作業に不要な列は先に削除してください。
- 一度にいくつもの作業を頼む。長い答えの中に間違いが隠れます。作業1つに、確認1つです。
練習は終わりましたか?
進み具合はこのブラウザにだけ保存されます。ブラウザのデータを消去すると消えます。
出典
- Get started with Copilot in Excel (Microsoft、2026-10-16閲覧)
- Collaborate with Gemini in Google Sheets (Google、2026-10-16閲覧)
- Reduce hallucinations (Anthropic、2026-10-10閲覧)